2021年の研究回想

この年末は、ブログ記事をしたためながら、大阪の新オフィスで受領したM1 MacBook Proをセットアップしながら過ごしている。京都では寒波が厳しく、底冷えするような寒さがあり、天気予報で予報されている気温よりも寒く感じる。大晦日に実家に帰り、年始に…

Linux eBPFトレーシング技術の概論とツール実装

eBPF(extended Berkley Packet Filter)という用語を著者が初めてみかけたのは、2015年ごろだった。最初は、eBPFをその字面のとおり、パケットキャプチャやパケットフィルタリングを担うだけの、Linuxの新しいサブシステムであろうと認識していた。しかし、…

分散アプリケーションの依存発見に向いたTCP/UDPソケットに基づく低負荷トレーシング

この記事は、分散アプリケーションを構成するネットワークサービス間の依存関係マップを構築するための基礎技術の改善提案をまとめたものである。第8回WebSystemArchitecture研究会での発表と同等の内容であり、そのときのスライドを以下に掲載しておく。 ま…

2020年の研究振り返り

今年は、エンジニアから研究者になって2年目になる。 社会情勢の変化を除いては、さくらインターネット研究所での研究活動の一貫として、京大情報学研究科の博士課程に進学したことが最も大きな変化だった。 とはいえ、博士課程ではなにか特別新しいことをや…

Redis Clusterとgo-redisの深刻な性能劣化を解決した話

さくらインターネット Advent Calendar 2020の23日目です。 現時点では最新版のRedis 6.0のRedis Clusterに対して、Go言語の代表的なRedisクライアントライブラリであるgo-redisからアクセスしたときに、性能が深刻なレベルで劣化しました。 この記事では、…

マイクロサービスにおける性能異常の迅速な診断に向いた時系列データの次元削減手法

著者 坪内 佑樹(*1), 鶴田 博文(*1), 古川 雅大(*2) 所属 (*1) さくらインターネット株式会社 さくらインターネット研究所、(*2) 株式会社はてな 研究会 第7回Webシステムアーキテクチャ研究会 2010年代のクラウド技術であるコンテナオーケストレーション、…

クラウド系の国際会議IEEE CLOUD 2020参加録

2020年の10月18日から24日までの5日間にわたって、国際会議IEEE World Congress on SERVICES 2020(IEEE SERVICES 2020)がオンライン形式で開催された。 IEEE SERVICESは、IEEE Computer Societyにより2004年から開催されている「サービスコンピューティン…