さくらインターネット研究所での1年

さくらインターネット株式会社に昨年の2月に入社してから1年(と2ヶ月)が経過した。さくらインターネット研究所での研究員としての新しい働き方にも慣れてきた。論文や口頭発表などの締切も落ち着いてきたので、ここまでの1年を振り返ってみる。 やりたいこと…

SRE NEXT基調講演を終えて

1月25日に開催されたSRE NEXT 2020 IN TOKYOにて、「分散アプリケーションの信頼性観測技術に関する研究」と題して、基調講演をさせていただきました。 これまで一環してWebオペレーション・SREに取り組んできて、今ではSRE Researcherと名乗っている身から…

2019年振り返り - エンジニアから研究者へ

例年のように、昨年の活動を振り返る。 昨年は、それ以前の5年と異なり、働き方もエンジニアから研究者へ転向したことにより、自分を取り巻く環境は大きく変化した。 とはいえ、1年の研究活動を通じて、エンジニア時代と比較し、働き方は変わっても、自分が…

Webシステムアーキテクチャの地図を描く構想

この記事は第5回Webシステムアーキテクチャ研究会の予稿です。 はじめに Webサービスにおいては、スマートフォンの普及によるアクセス増加に対してスケーラビリティを持ち、個人向けだけでなく企業向けサービスの可用性の要求に耐えられるようなシステム設計…

サーバーレスアーキテクチャ再考

2014年にAWS Lambdaが登場し、Functionを単位としてアプリケーションを実行する基盤をFunction as a Service(以下、FaaS)と呼ぶようになった。 そして、同時にサーバーレスアーキテクチャ、またはサーバーレスコンピューティングと呼ばれる新しいコンセプト…

はじめて国際会議で論文発表して考えたこと

先日、アメリカのウィスコンシン州ミルウォーキーで開催された国際会議 IEEE COMPSAC 2019で時系列データベースHeteroTSDBの論文を発表してきました。 IEEE COMPSACは、IEEE内のコンピュータソフトウェア分野の分科会IEEE Computer Societyのフラグシップカ…

エッジコンピューティングに向けた分散キャッシュ技術の調査

著者: 坪内佑樹(*1) 所属: (*1) さくらインターネット株式会社 さくらインターネット研究所 研究会: Web System Architecture研究会#4 はじめに Webサービスの応答速度を向上させることにより,ユーザーの体験が向上することが知られている. 実際に,40%以…