ウェブオペレーションエンジニアになるまでの思い出

書籍「ウェブオペレーション」の中で、「ウェブオペレーションは技芸であり科学ではない」*1という言葉がある。 実際、その通りだと思う。 しかし、技芸というのはどうやって学べばよいのか。 教科書のようなトップダウンな知識体系を構築しようと試みようとしても、どうしても特定の組織に依存したり、特定の技術スタックに依存してしまう。

現時点では、体系立てて学ぶというより、やはりボトムアップに学ぶしかないと考えている。 「ウェブオペレーション」の内容も、基本はストーリー仕立てのエッセイ集になっているのは、そういうことだろう。

Hatena Engineer Seminar #7では、もともとウェブオペレーションの学び方の話をしようと思っていたが、前述のような事情で、自分(id:y_uuki)の場合の学んできたことを例として挙げることにした。 ウェブオペレーションエンジニアの前提となるスキルセットの作り方の一例として紹介する。LT資料なので勢い重視なのは許してほしい。

大学1年からLinuxを触り始めたときからはじまり、C言語を学び、ネットワークプログラミングを学び、アルバイトで巨大なCのプロジェクトをgdbを駆使してトレースしたり、はてなインターンにいったり、研究でSIMDとかGPUとかネットワークスタックとか触ってたり、はてなアルバイトでMackerelの前身を作ったり、子どものころを振り返ってみてシステムっぽいものが好きだったり、といった内容の話をした。

ウェブオペレーションエンジニアになった動機の一つに、教科書に書いてあるような古典的な知識が現場で活用されていることがおもしろいと感じていたことがある。 例えば、書籍「大規模サービス技術入門」*2では、MySQL(MyISAM)のテーブルファイルをあらかじめcatで読ませて、OSのページキャッシュにのせることで暖機運転がわりにする手法に感心したのを今でもよく覚えている。 このような考え方は、自分の技術スキルの方向性にも影響しており、2015年Webサーバアーキテクチャ序論 - ゆううきブログ自作Linuxコンテナの時代 - ゆううきブログ などに表れている。

わざわざ語るような大層な経験はなく、ごく平凡な来歴だなと思う一方で、アウトプットだけは人並み以上にやってきたという自負がある。ちまちましたことでも続けていれば、それなりの何かにはなるものだ。 もし今回の話に共感するところがあり、ウェブオペレーションやSREという技術領域に興味をもってもらえたなら、うれしく思う。

ちなみに僕の場合は、自然科学実験みたいな物理作業をとにかくやりたくなくて情報科学科に入ったので、「モノ」としてのサーバやネットワーク機器にあまり興味がないけど、なんとかやっていけている。

あわせてよみたい

同僚にはこういう変な人もいる。

*1:John Allspaw、Jesse Robbins編、角 征典訳,ウェブオペレーションーーサイト運用管理の実践テクニック,オライリージャパン

*2:伊藤 直也、田中 慎司,[Web開発者のための]大規模サービス技術入門 ―データ構造、メモリ、OS、DB、サーバ/インフラ (WEB+DB PRESS plusシリーズ), 技術評論社